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No.620 日常の中での非日常を! ― 4年に一度のサッカーの祭典2026 ③ ―
今週の一句
フットボール 世界の価値観 貫いて ゴール目指すを 後押しをして
記念の1000試合目が、アフリカ代表のチュニジアとアジア代表の日本の対戦であったことは、100年近い歴史を物語るものでもあります。1930年のウルグアイでの第1回大会開幕戦、すなわち第1試合は、フランス(欧州)対メキシコ(中米)とアメリカ(北米)対ベルギー(欧州)でした。第2回のイタリア大会に初めてアフリカからエジプトが出場し、そしてアジアからは第3回のフランス大会にオランダ領東インドが出場したのが初めての参加でした。20世紀から21世紀にかけての世界のバランス変化を示していることが感じられます。
そして次の1000試合はどのような歴史を積み重ねていくのでしょうか。現在のVUCAの時代において、世界最大のイベントである4年に一度のサッカーの祭典は、われわれ市井の人々にとって、日常の中でのとても大切な非日常の時間を全力で楽しむことの価値を提供してくれます。世の中の様々なマーケット(市場)には、それぞれの“場”で、人の意思がモノやサービスの価値を判断し、そこに価値を見出し、それに見合う価格が生まれます。そして、最後に決められる価格は、国や地域といった様々な要因により“場”によって異なるものとなる場合が多いのです。それがFootball(サッカー、蹴球)となると価値は世界の中での価値観となるのです。つまりこの瞬間だけは、世界共通の尺度を80億人が同時にもつことができるのです。
非日常と日常の線引きは明確ではありません。同じ出来事でも、その人の認識で日常にも非日常にもなるのです。海外に行くことも、旅行として楽しむ人もいれば、客室乗務員としての仕事をしている人もいるのです。日常とは、予測できて、繰り返されるものであり、安心感があり、あまり意識しなくても行動できることと言えるでしょう。一方、非日常とは、予測できない、新たな発見のある、感動を伴い、五感が鋭く働く場面と言えると思います。多くの人や組織には、日常を安定的に回すための仕組みやルール、習慣があります。ただし、組織を変革する挑戦、イノベーション、危機対応といった場面では、非日常が生まれます。人や組織が成長する力は、この二つのバランスなのです。ドイツの哲学者M・ハイデガーの思想に基づけば「人は普段“当たり前”の世界を無自覚に生きている。しかし病気や死、旅、芸術との出会いなどによって、その当たり前が揺らぐと、自分の存在を深く見つめ直す契機が生まれる」と言えるでしょう。非日常を大いに楽しむことが、明日への糧になると良いと思うのです。
サッカーの祭典における通算試合数で節目となった試合

出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。