
No.474 女子レスリングは霊長類最強よりさらに強く! ―スポーツにおける女性活躍 ③―
今週の一句
"圧倒する 強さを支える 猛練習 夢を叶える 準備万端"
レスリングの吉田沙保里選手の記録は、公式戦333勝15敗の勝率95%、世界選手権13勝、五輪で3大会連続の金メダルと1度の銀メダルという圧倒的な強さを誇りました。2012年、世界大会(五輪+世界選手権)13大会連続優勝を達成したことを受けて、ギネス世界記録に認定、国民栄誉賞も授与されています。その練習量は半端ではなく、2人を背負っての坂道ダッシュや、床に座った状態から腕の力だけでロープ登りなど伝説の練習エピソードが残っています。一方、伊調馨選手は女子個人種目では史上初の五輪4連覇を成し遂げ、こちらも国民栄誉賞を授与されています。その伊調馨選手は『基本は体力と技を身につけること。そして一番大事なことは諦めないこと。自分のできないことがあればできるまでやる』ということが大切だと述べています。
そして今、吉田沙保里選手、伊調馨選手の2人を上回る記録を作ったのが東京五輪で金メダルを獲得した須崎優衣選手です。50㎏級で優勝した須崎選手は全試合テクニカルフォール勝ちで失点ゼロというパーフェクトな強さを見せたのです。これは吉田選手も伊調選手も果たしていない大記録、圧倒的な強さなのです。その強さを支えているのは、驚異的な練習量とともに、試合前の準備なのです。スタートからの手や頭の位置、どういう攻め方をするのかなど相手の特徴を考え、自分はどのようにポイントを取っていくのか、というシナリオを描いているのです。何事も、戦う前のシナリオは大切なのです。もちろん、戦いが始まれば想定とは異なることも起こるのですが、それでも準備は重要なのです。パリ五輪での金メダルを期待される須崎選手がどのような準備を重ねていくのか、日本女子の強さの系譜はまだまだ続くのだと期待されています。
日本女子レスリング選手の記録
※大会成績のうち、2004年アテネ五輪~2021年東京五輪での成績のみを掲載。
出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。