
No.544 量から質への転換 ― ウェルビーイングの社会 ① ―
今週の一句
"昭和には 高度成長 見て育ち 平成令和と 世は移りけり"
ウェルビーイングの経営戦略とは、何にポイントを置くかで実行力が異なるものとなるでしょう。社会がウェルビーイングになっていくことは、より良い暮らしに向かうということであり、社会の成熟を示していることになります。ダイバーシティ&インクルージョンが根付くことは、人間社会の多様なる状況を認めて、世界の中でも多様性を浸透させることが可能になるのではないでしょうか。
これまで、経済の成長だけを追いかけてきたGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)からGDW(Gross Domestic Well-being:国内総充実)を目指す時には、「充実」とは何を示すかが共有されないと充実を実感することは難しいものになります。日本は既に高度成長時代を終えて、成熟社会入りしてから相応の時間が経っています。この間に、各企業の経営戦略は、単に量的拡大を目指すものから質的向上を目指すものへと変化を示してきました。より良い製品とサービスの両方を目指すことで、顧客満足度を高めることの意義が強調されるようになってきたのです。ただ、数字を追いかける株主資本主義は依然として数字の成長を強く求める傾向に変わりはありません。ステークホルダーの中でも、株主は所有者としてリターンを何に求めるかと問われたときに、数字という結果を求めることは必然であるのです。そこでのポイントは、短期的なリターンなのか長期的なリターンを目指すのかということになります。国内の人口が減少している中で、どのような長期戦略が描けるのか、ここにウェルビーイングの社会における経営戦略のあり方が問われています。時代は次世代が担う時へと移っていることも忘れてはならないと考えます。
ウェルビーイング経営
出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。