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No.575 文脈を失わないこと ― マーケティングの道 ③―
今週の一句
"ないものを 考えることが 出来るなら ゼロを知っての 一歩始まる"
成功する組織はどれも、意識的にせよ、無意識的にせよ、顧客にとって価値のあることを果たすことによって最初の成功を遂げるのです。特に組織が出来てから初めのうちは、プロセスのなかに優先事項はなく、ビジネスチャンスの見極めや、成功の測り方も定まっていないものです。ただ、ひとりで複数の役割を担う少数のメンバー全員が、顧客が進歩を成し遂げるために何を提供すべきかをよく理解しているものなのです。すなわち組織のユニットが『顧客のジョブ』そのものなのです。初期段階の企業は、無意識のうちに価値を生み出すように動き、利益を生み出す組織になっていくものです。
ところが、少し成功して規模が大きくなると、統制を強めて効率性を追求しようとして、一番大切なものを見失うことになりがちです。よく起こることは、自分たちが計画を立てることで物事が思ったように動くという勘違いです。成功の原点を感じることの出来ない人が組織を率いたとしても、魂はそこには存在しません。特に組織が次のステージへ上がろうとすると、これまでのやり方を否定するかの如く『改革(イノベーション)が必要だ』といった文言が踊ります。ここでも何が大切かというと、イノベーションには幸運が必要であるという考え方ではなく、顧客が求めていることに向き合うことの重要性を忘れずにいれば、あらかじめ予測できるプロダクトとサービスにエネルギーと資源を注ぎ込むことが出来るということなのです。
実は、お客さまに向き合わない人が良く使う言葉に『顧客ニーズ』というものがあります。まるでこちらが『顧客ニーズ』をわかっているかの如く使う言葉でもあります。ところが『顧客のジョブ』の中には、まだお客さまにもわかっていないものが含まれているのです。そこに気付くことが出来れば、これまでにないプロダクトを生み出すことが可能であり、業界にとってはイノベーションとなり得るのです。このことを忘れずにいれば組織は「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」ということが可能であり、お客さまのために存在し続ける組織であり得るのだと考えるのです。
ジョブ理論のポイント

出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。