
No.478 世界は対立なのか調和なのか ―アメリカの立ち位置 ①―
今週の一句
"覇権から 世界の柱は 何本も 対立構図か 調和の道か"
22年前の2001年9月11日のテレビ映像の場面を忘れることはできません。まるで映画のワンシーンとしか思えない状況が目に入ってきたのです。戦争の世紀であった20世紀とは異なる、21世紀に入って新たな世界の調和と発展へと向かうはずの時に、また新たな対立の時を迎えているのか、といった思いが駆け巡ったことを思い出します。そして今、世界の目はどこに向かっていくのか、再び悩んでいるのではないでしょうか。
20世紀は米国が世界の警察と言われていた時代でもあります。特に、1945年の第二次世界大戦の終幕から冷戦の時代では、その力は大きなものであり、様々な紛争での米国の役割が強調された時代でもありました。ただし、東西冷戦終結後の米国の民主主義や資本主義経済の一人勝ち状態は、9.11の同時多発テロをもって極めて短い時間で終わってしまったとも言えます。21世紀に入り、様々な対立の構図は複雑化しました。そして時代は巡り、2013年9月10日には、シリア内戦についての演説でバラク・オバマ大統領(当時)は「米国は世界の警察ではない」と述べたのです。ここからの世界は、覇権国家が支配する状態ではなくなっているのです。もはや経済的にもG7を中心とした先進国のみならず、新興国など多様な国々でそれぞれの国家の発展のための二国間協定や多国間協定が広がっている状況です。もちろん対立の構図も全く消えてはいません。だからこそこのような世界で、過去には覇権国家と言われた米国が、どのように進んで行くのかが注目されるのです。そして同盟国である日本の役割もますます増していると考えるのです。
米国同時多発テロ 発生当時の世界の対応・反応
出所:各種報道を基にあおぞら投信が作成。