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No.604 スノーボード競技者たちの目指すものとは? ― ミラノ・コルティナ 冬の祭典 ①―
今週の一句
遊びから よりカッコよく 見せるため 日々跳び続け 輝きを得て
『その日にもっとも勇敢な滑りに挑んだ選手を祝福する、ボーダーというのはそういう人たちなのだ!』と、村瀬心椛(ここも)選手の女子ビッグエア金メダル獲得後に選手同士でたたえ合う姿を見て感動しました。これはスノーボードが「失敗を恐れずに挑むこと自体に価値がある」ということを表す場面であり、これまでの日本スポーツでの美徳である「減点されない」「失敗しない」「確実にまとめる」といったこととは全く異なる画期的なものだと感じました。
スノーボードの歴史には諸説ありますが、1960年代にスキーを一本にして滑る遊びの中からアメリカで生まれたとされ、1970年代から1980年代にサーフィンやスケート文化と結びついてスポーツとして広がっていったようです。そして日本においても、1990年代にスノーボードは若者の自由な発想と自己表現といった流れに乗って浸透していきました。スキー競技が速さと正確性を追い求める一方、スノーボード競技は「かっこよさ」を求めるライフスタイルに繋がっていったことがユニークさなのです。
今回のスノーボード競技で日本人選手の活躍を支えたのは、日本の地方の雪山という環境が原点にあるように思います。その場の状況の中で「もっとも勇敢な滑り」に挑むことが1番だという価値観を身につけて育つことが大切なのです。勝ち負けというよりは、美意識であり、物事への向き合い方なのです。だからこそ、毎日毎日滑る中で自分自身の哲学が育っていくのです。
日本の若者たちが勇敢な挑戦を続けられるような環境を作り守ることこそが、今の大人たちの責務でしょう。もっとも遅れていた教育分野でも変化が始まっています。ボーダーたちが輝く姿がイタリアの陽射しのもとで眩しく見えたのです。
スノーボード競技 日本人メダリスト(敬称略)
出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。