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No.518 団塊の世代と財政 ―骨太の方針 ①―
今週の一句
"高齢者 社会保障の 安心感と 世代格差を いかに進めん"
2024年度の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」原案で、2025年度のプライマリーバランス(Primary Balance(PB):基礎的財政収支)黒字化目標を維持する方針が明記されました。政権の中にも、財政規律派と積極財政派がいると言われていますが、日銀の政策変更により、ようやく日本でも金利のある世界が戻ってくることで、国債発行に伴うコストやそもそもの国債への市場の信認といったことが意識され始めていることへの対応も考えられているのでしょう。
このように、政権としての財政への危機感をより明確にすると同時に「状況に応じたマクロ経済政策の選択肢がゆがめられてはならない」とも指摘しており、従来取ってきた「経済あっての財政」の基本姿勢を堅持しています。そのような中で、団塊の世代がいよいよ75歳以上の年齢となります。後期高齢者となることで、医療・介護給付費の対GDP比は、2019年度時点の8.2%から2060年度時点には13.3%へと上昇すると予想されています。これは、社会保険料負担(対GDP比)が2060年度には2019年度の1.5倍になることを意味します。保険料の大幅な上昇は、負担が現役世代に集中してしまうことになるのです。このような社会保障機能の歪みを生じさせないためには、歳出改革が必要なのです。すなわち国民に対して、「高負担・高福祉」か「低負担・低福祉」の選択肢を示しつつ、経済的なゆとりがある層に追加負担を求めることも必要となるかもしれません。
30年以上前からわかっていた少子高齢化が実際に顕在化している今こそ、21世紀の財政のあり方を考えるべきであり、それこそが『骨太の方針』として示され、議論の中心に置くべきなのだと考えます。
医療・介護の給付と負担のGDP比予測(2019年度~2060年度)
1.「現状投影シナリオ」:2025年度から2060年度まで出生率1.36程度、実質成長率が0.2%で推移すると想定

2.「成長実現シナリオ」:2025年度から2060年度まで出生率が1.8程度、実質成長率1.7%程度で推移すると想定

出所:内閣府「中長期的に持続可能な経済社会の検討に向けて②」を基にあおぞら投信が作成