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No.612 『本を読むこと』での発見 ― 成長する道の見つけ方 ③―
今週の一句
己が道 どこに進むか 見えぬ先 他人の思いも 同じと知るかな
自分のやりたいことを一言で表せないとしたら、それはまだ自分への問いかけが足りていないということなのです。そもそも『自分のやりたいこと』について考える時間を持っていない人も多くいるのではないでしょうか。日々、目の前のことに追われ、それをこなしているうちに時間が過ぎてしまう、という感覚は、誰もが感じたことがあるでしょう。では、どのようにして『自分のやりたいこと』を見出せばよいのでしょうか。
『自分のやりたいこと』というのは、働くことに関することかもしれませんし、生涯をかけて目指すテーマのようなことかもしれません。もしかすると、日々の小さなことの中にこそあるかもしれません。それに気づく方法は、自分の感じるアンテナを立てることです。そしてその最高の方法は、本を読むことなのです。自分自身が経験したり、体験したりすることから得られることは、学びの基本です。喜びも悲しみも、楽しみも痛みも、自分自身が感じることで身につけていきます。ただ、自分一人の経験だけでは、本当に限られた環境での経験に過ぎません。世界の状況は想像の届かないほど異なるものであり、その中で生きる人たちの姿や感じ方は、すべてを経験することはもちろん、とても考えの及ばないことが数限りなくあるのです。そのような世界を教えてくれるのが『本を読むこと』なのです。私自身は、小学生のころから本を読むことを好み、時間があるときは何らかの本を読んでいました。そして、英国のロンドン郊外にあるチャーチルの邸宅跡を訪れたとき、チャーチル元英首相が執筆活動を行っていた書斎に入り、彼が一度に5冊くらいの本を並行して読んでいたことを知りました。そして、同時に異なる分野の本を読むようになってからは、全く異なる世界だと思っていたものが、なぜか繋がることに気付かされます。世界の国が違っていてもそこに暮らす人々の思いは共通だったり、あるいは悩みは同じだったりするように、自分が世界と繋がる感覚が生まれます。
そのようなことを繰り返すことで、小さな自分の存在を発見し、自分自身が何のために生きるのかを少し考えるようになります。そして『自分のやりたいこと』をうっすらと感じるようになります。結論はまだつかみきれていないかもしれませんが、『自分がやりたいこと』をやれるように考え、行動するようになれれば、それが幸せなことなのではないでしょうか。
(参考:コ・ミョンハン著『本は人生を生き抜く最強の武器である』 2025年)