マーケットの見方

No.561 自由貿易と自国経済  ― 自由貿易の重要性 ① ―

今週の一句

"取引の 初めの一歩を 踏み込むか ルール何処に 時間使うや"

トランプ大統領の狙いは何なのかを捉えることは簡単ではないですが、そもそも、今日の世界のバランスが非常に難しい局面にあることは間違いなく、その中で各国がどのような指針を持つかを考えるべき時なのだと思います。

現在の世界における自由貿易を支えるシステムに、関税や貿易障壁の削減を推進する世界貿易機構(WTO:World Trade Organization)があります。また、その他にも自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)、経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)のように、特定の国・地域間で関税を引き下げたり、貿易を円滑にしたりする協定があります。また、航空・海運・鉄道など、物流網の発展といった交通インフラや、インターネットによる取引の迅速化といった通信インフラの発達も重要な要素となります。さらに多国籍企業やグローバルサプライチェーンによる原材料調達から製造・販売まで世界をまたいだ効率的な経済活動も、自由貿易そのものを意味することになります。

このように自由貿易は世界経済を支える基本的な仕組みではある反面、国・地域間の格差拡大や環境破壊といった課題も抱えています。その代表的なものが、安価な外国製品との競争による国内産業の衰退や雇用喪失なのです。『自由貿易のメリットを最大限受けてきたアメリカ合衆国の経済が、中国をはじめとする外国製品により危機を迎えているという構図を変えたい』というMAGA(Make America Great Again=米国を再び偉大に)の主張そのものを押し進めるトランプ2.0の動きは、他の国にとっては想定を超えるものとなっていますが、だからこそ日本をはじめとする国々は、自らの国際的役割を果たすことが必要だということなのです。そしてその行動とは、もはや国家の枠組みを超えている国際的な企業や情報ネットワークとの協働作業であることを覚悟して臨むべきだと考えるのです。

主な国・地域へのトランプ関税の税率

出所:作成時点の各種資料を基にあおぞら投信が作成。

 

 

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