マーケットの見方

No.614 数値目標だけが組織運営か?  ― 組織運営の考え方 ①  ―

今週の一句

計画を 作って終わりと やる現場 当たらぬ予測 何を守らん

組織というものの最初の形態は、『衝動型』と呼ばれる自我(エゴ)の確立と恐怖による統治に近いものだと考えられます。強烈な上下関係を持っており、言われたことを間違いなく実行するだけの組織のようなものです。この最初の組織のイメージはマフィアといった組織に近いものがあります。日本でも、身分制が残っていた時代には、絶対服従の組織運営が見られました。この組織の課題は、自己の意思が認められず、組織としての発展がほぼないことです。

そこから文明の発展とともに組織形態は変化していきます。次は『順応型』と呼ばれるもので、集団の規範がすべてであり、大規模な階層組織となります。これは部族社会から国家や官僚制が登場する段階でもあり、教会や軍隊、官僚組織といったイメージが想定されます。この組織の特徴は、安定運営こそが目的であり、階層型(ヒエラルキー)であることに表れている通り、規則・規律・規範によって縛られている中での組織運営になります。自由主義でありながら計画に則った運営であり、決められた時間でその計画を遂行することが肝要となります。この組織では、階層が固定されており、柔軟な発想や新たなチャレンジといったものが生まれにくいという特徴があります。

さらに科学技術の発展とイノベーションが進むと、『達成型』の組織が生まれます。それまでの命令と統制から、予測と統制へと進み、結果を求めて動く実力主義の組織運営となります。目指しているのは階層組織ではありますが、効率的であることを求めるという複雑な組織となります。経営手法はMBO(目標管理型)となり、数値管理が徹底され、過重労働なども生まれやすく、競争の激化とそれによる疲弊が起こり、組織が機械化した状態になる場合があります。そして、この組織運営が現代企業では最も一般的なモデルなのです。

今日、我々が抱えている問題は、『予測』というものに意味があるのか、ということです。これまでの組織運営は、単純な成長カーブを『予測』して物事を進めることを計画と呼べたかもしれませんが、現在の世界では、ミッションを定めて変数を受け入れつつ組織運営を行うことが必要なのです。これからの組織運営は、新たなフェーズに入ったと考えます。

(参考:フレデリック・ラルー著『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』2018年)

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