マーケットの見方

No.501 企業活動全般に及ぶマーケティング ―顧客マーケティング ②―

今週の一句

"ものつくり それを届ける 道筋を 探り探って 企業の明日なり"

フィリップ・コトラーの本を何度も読んで染みついたことは、マーケティングこそが企業活動の根幹であるということです。特に、広義のマーケティングを理解することで、人材採用・育成、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)から広報まで、すべての企業活動に通じる考え方を身につけることができるのです。市場調査・分析から始まり、ターゲットの絞り込み、商品企画から価格決定、マーケティング戦略遂行、成果の効果測定というステップが、商品が販売されるという過程を明確に進められるようになるのです。狭義のマーケティングは、プロモーションと調査だけを指すものであり、区別する必要があります。

そもそものマーケティングは製品志向の時代(マーケティング1.0)から始まりました。低価格製品の大量生産から、マスメディアでの宣伝というパターンが出来上がり、そこから価格と品質の競争が進んだのです。その次に、顧客志向の時代(マーケティング2.0)へと変化します。これは、人々の生活が豊かになってくると、消費者側が選択肢を持つようになり、価値があり満足感を得られる消費へとシフトしたのです。さらに価値志向の時代(マーケティング3.0)ではインターネットの浸透により、商品やサービスについての情報を消費者が自ら得られるようになり、プラスの要素として環境やブランドコンセプトなど、企業価値への共感といったものが欠かせなくなりました。マーケティング4.0は自己実現の時代と呼ばれ、スマートフォン時代の究極法則となり、消費者の自己実現欲求に合った顧客からの情報発信に向かっていきました。そして、マーケティング5.0で人間のためのテクノロジーの時代になったのです。時代の変化とともに、製造側と消費者側との関係にも変化があり、それに合ったマーケティングをこれからも模索し続けて行くのでしょう。だからこそ『マーケティングとは、標的市場を選択し、優れた価値の創造、伝達、提供を通じて、顧客を獲得、維持、育成する技術である』という言葉にマーケティングの真髄があると考えるのです。

*フィリップ・コトラー「コトラーのマーケティング3.0、4.0、5.0」

 

広義のマーケティング 

出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。

一覧に戻る

本資料は情報の提供を目的としており、何らかの行動を勧誘するものではありません。本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。ここに示された意見などは、本資料作成日現在の当社の見解であり、事前の予告なしに変更される事もあります。投資信託の取得に当たっては、投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
商 号: あおぞら投信株式会社 金融商品取引業者: 関東財務局長(金商)第2771号
加入協会:一般社団法人投資信託協会 ホームページ・アドレス: https://www.aozora-im.co.jp/