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No.597 世界の紛争の中での日本 ― 幸せのはかり方 ②―
今週の一句
天高く 馬肥ゆる秋 国動き 軍備増やすも 幸せ遠く
今年もVUCA*の時代の中でのスタートとなりました。年明けの3日にアメリカは、軍事作戦でベネズエラ攻撃を行いマドゥロ大統領夫妻を拘束するといった行動に出ています。国際法とはあくまで国家主権のもとに成り立っているルール(規範)でしかなく、強制力は限られる中での運用となります。その意味では“国際的な信用”というものが背景に存在することが前提なのです。
現在、世界では約40カ国が国家間の衝突等の紛争や不安定な状況に直面しています。これは中東戦争以来では最悪の状況であり、世界中では軍事費が約400兆円に上るという過去最高を記録しています。また戦争の形もドローン兵器により大きく変化しているとともに、攻撃の手段はサイバー攻撃などテクノロジーの戦いも含めてのものとなっています。また1970年に発効したNPT(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons:核兵器の不拡散に関する条約)は、締約国が191カ国・地域に及び、核兵器保有国のアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国も締結国として核兵器の拡散を防止する対象国となっています。ただし、同じく核兵器保有国であるインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮(脱退)は、NPT体制外にいます。世界の新たなバランスはどのように進んでいくのでしょうか。
1823年に、モンロー第5代アメリカ大統領が唱えた 「アメリカ大陸へのヨーロッパ諸国の干渉を許さず、アメリカもヨーロッパの政治に関与しない」という所謂“モンロー主義”が、現代版となって登場しようとしています。グローバリズムのネットワークが広がる一方でのこのような動きの中、今年の秋(11月18・19日)にはAPEC(Asia Pacific Economic Cooperation:アジア太平洋経済協力)首脳会議が議長国である中国の深圳で開催が予定されています。このような状況だからこそ、非核三原則を持つ日本がモラル・オーソリティ(Moral Authority:規範としての発言力)を活かせるのかが大切な場面なのではないかと考えます。何を後世に残すのか、挑戦の年となっています。
*VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、 Ambiguity:曖昧性)
世界の核兵器保有国9カ国
出所:ストックホルム国際平和研究所「SIPRI年鑑2025」を基にあおぞら投信が作成。