No.526 近代五種での初のメダル ―日本のチームプレー ④ー
今週の一句
"近代の 万能を競う 戦いに 鍛錬重ね 運をも引く"
近代五種で佐藤大宗選手が日本勢初のメダル獲得を果たしました。近代五種は『King of Sports』と呼ばれる競技であり、近代オリンピックの父と呼ばれるピエール・ド・クーベルタン男爵により創設され、1912年第5回ストックホルム大会から実施されている五輪競技です。1人の選手がフェンシング(エペ)、水泳、馬術(障害飛越)、レーザーラン(射撃+ラン)というそれぞれに全く異質な5種類の競技に挑戦する、万能性を競う複合競技であり、まさに競技の中の王様という呼び名に相応しい厳しい戦いを選手に課しています。
近代五種の原点である古代五種競技とは、レスリング、円盤投、やり投、走幅跳、短距離走でした。これにならい、考案、創設されたのが近代五種競技であり、多様な運動能力を求める、体力的にも精神的にも非常に過酷な競技と言えるでしょう。この競技を最初から目指す選手は少なく、現在選手となっている人は、水泳出身者の比率が高いようです。水泳の基礎体力がランニングにも活かされるということでしょう。また、この競技は運の要素もあります。それが馬術です。自分が乗る馬は抽選で決められるので、馬術の原点である『馬の特長を瞬時に把握し、手なづける能力』が求められるのです。
青森県出身の佐藤大宗選手は、中学、高校と水泳部に所属、海上自衛隊を経て自衛隊体育学校入校後に競技を開始。中学入学時は決して泳ぎの速い選手ではなかった佐藤選手ですが、高校3年生では県大会で優勝を果たすことができました。背景には負けず嫌いなところがあったとのことです。その後、近代五種競技では、2021年に開催された東京五輪で代表に選ばれず挫折しそうになりましたが、その時に支えてくれた言葉は『何事もやるなら死ぬ気でやれ』という父の言葉でした。それからは負けず嫌いな性格から、海外勢との差を感じていたフェンシングにて、エペ団体メンバーと練習をすることで力をつけていくなど、ひたむきな努力を積み重ねました。だからこそ、最後のレーザーランで後続の選手を突き放すことが出来たのです。最後に自分の力を発揮するには、自ら課題を考え、その答えを厳しい試練の中で見出す力を身に付けるほかないと考えるのです。
パリ五輪 近代五種競技

出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。