マーケットの見方

No.629 Investの意味を知ること  ― インベストメント・チェーン ⑤―

今週の一句

投資とは 見返り求める ものならず その力こそ 未来をつくるや

資産運用立国と言われても、まだまだ“投資”を自分事として考えられない人は数多くいると思います。ようやく、“投資”というものを早めに始めて自分の将来に備えた方が良いようだということを理解し、実践する若者が増えてきたことで、日本における長期投資は再開されたのだと言えるでしょう。再開と述べた理由は、戦後の高度成長期である1960年、池田勇人政権により『所得倍増計画』が唱えられ、1967年には松下幸之助氏の『国民のすべてがどこかの会社の株主である』という“一億総株主化”の発想が示されて以来のことだからです。国民が働き、所得を得ると同時に、株式を保有して得る配当益・値上がり益で、二つの所得を得られる社会とする考え方なのです。

このように国民が株式を長期保有し、企業に安定的な資本が供給され、企業の長期的な成長への投資も進み、経済循環が活性化するという考え方は、現代にも通ずるものです。そして、松下幸之助氏の『国民を株主にする』という意味は、『ひとりひとりを日本経済の当事者にする』ということであり、すなわちインベストメント・チェーンの大きな役割を担う存在にするということなのです。そして、“invest(投資する)”の語源は、“investire(ラテン語で、「誰かに衣を着せて地位や権威を与える」の意)”であり、『夢のある者にお金を持たせて挑戦させる』という形で資本を託すことへとつながったのだと考えるのです。だからこそ、“投資すること”は、単なるリターンを求めるお金の動きではなく、社会の未来をつくるためのお金の動きであると知ることが大切なのです。

日本という国の特徴は、豊かな自然と海に囲まれており、高い食文化を作り上げてきた点にあり、この日本に生きるひとりひとりが世界の未来を考えるうえで重要な役割を担っていると考えます。だからこそ、ひとりひとりの当事者が、未来への投資を考え、行動することによって世界をつくっていくことが可能なのです。そのような創造的な想像力を持った人たちにこそ、インベストメント・チェーンが活かされることを目指したいと考えるのです。

個人株主数(延べ人数)の推移

出所:日本取引所グループ「2025年度株式分布状況調査」のデータを基にあおぞら投信が作成。

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