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No.546 へび年の脱皮とは? ― 2025年を占う ① ―

今週の一句

"改革は 旧い慣習 改めて より良い社会 創る思いや"

今年2025年はへび年で、干支は60年に一度の「乙巳(きのとみ)」の年です。今年の干支の意味は、「蛇のように脱皮し再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」というものです。今から1380年前の645年(大化元年)の乙巳の年は、「乙巳(いっし)の変」から始まった一連の日本の改革が行われた『大化の改新』の年なのです。中大兄皇子(後の天智天皇)や中臣鎌足(後の藤原鎌足)らは、中国(隋や唐)で政治や文化を学んで帰国した遣隋使や遣唐使らとともに、天皇を中心とする中央集権国家の建設を目指し政治改革に着手したのでした。この動きは、701年(大宝元年)の大宝律令完成まで続きました。また、初めて年号(大化)を定めるなど、豪族中心の政治から天皇中心の政治へと大きく変化をしました。この改革で、戸籍、国郡、税など国単位の各制度を定め、国としての大きな一歩を踏み出したのです。では、今年起こる変化とは何なのでしょうか。

今の日本で起こりえる変化とは、個人の権利と義務ではないでしょうか。例えば、明治維新以降の税制についての考え方を根本的に改革すべきだと考えます。社会における労働力を考えたときに、女性を家庭に留める『男性は稼ぎ手で、女性は家事・育児を担う』という性別役割を前提とした税制・社会保険の仕組みそのものを見直すべきだということです。今後の税負担の公平性を考えれば、家族単位から個人単位の課税制度への移行も検討すべきかと思います。そして、それを支えるための子育て、介護といった負担を背負う人に対するサポートを、国が担う部分と企業が担う部分(職場環境)をどのように考えるかが課題になるでしょう。このようにして、社会全体での労働力の確保を進めていくことが社会そのものの活力を生むことになります。これまでとは異なる多様な働き方を支えるという意味での『真の働き方改革』を進めることで、個人の権利を守るとともに、個人の義務についての意識を持つことも重要だと思います。そして、今年は誰かに動いてもらうことを待つのではなく、自らが小さな脱皮をすることが、社会に大きな変化をもたらすのだと考えるのです。

大化の改新での主な制度改革

出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。

 

 

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