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No.615 個人が自ら考える組織へ ― 組織運営の考え方 ② ―
今週の一句
そもそもは 組織があっての ものでなく 個が動き出す 集まりとなり
組織の発展の形としては、『衝動型』と呼ばれる自我(エゴ)の確立と恐怖による統治から、『順応型』と呼ばれる、集団の規範がすべてであり大規模な階層組織へ、さらに『達成型』と呼ばれる、予測と統制へと進み結果を求めて動く実力主義の組織運営に進んでいきました。『達成型』は、数値目標による明確に見える運営であるため、予実管理など運営状況の把握もしやすいという特徴があり、多くの企業で採用されてきました。ただし、どうしても様々な前提を置かざるを得ないという“予測の課題”を乗り越えられないため、単なる数字の達成といった薄いものではなく、組織運営とは自主性を持つべきであるという考え方が生まれてきました。
その組織運営の姿は『多元型』と呼ばれるものです。成果だけでなく、従業員の価値観、多様性、関係性などを重視して、メンバーの主体性を引き出す組織運営です。その中でメンバー間の合意形成を図り、組織は価値観の共有のもとで運営されていきます。“目標管理型”での『達成型』から自主性を活かす『多元型』では、自らの意見を言うことも増え、組織の合意形成への参加意識も高まるという良さがあります。一方、この組織の課題は、合意形成を重視することで、複雑な問題では意思決定に時間がかかる場合があることです。また、多様性を尊重するため、文化的には不一致となる場合もあります。そして、このような組織のリーダーは、これまで必要とされてきた強力なリーダーシップというよりは、合意形成のファシリテーターとしての役割が期待されています。
ただ、今日の複雑性の高い状況においては『多元型』の組織運営ではメンバーの総意に基づく決断にはそもそも至ることが難しく、運営の実行力に難点が生じてしまう状況も多く見られています。そこで、さらに柔軟に個人の自発的な行動を活かす組織が生まれてきました。それは、これまでの型にはまるのではなく、組織そのものが動き出す『進化型』(ティール(Teal)組織)と呼ばれるものです。この組織運営では“個人が自ら考え動くこと”が前提となり、これまでとは異なる組織になることを、個人個人が頭と身体で実践する覚悟が必要となるのです。
(参考:フレデリック・ラルー著『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』2018年)