
No.571 12年に一度の巳年選挙(都議会・参議院) ― 日本の選挙の論点 ②―
今週の一句
"コメなのか 子育てありき 国民は 今後の日本 行動を知る"
7月に予定されている第27回参議院議員通常選挙は、石破茂首相の率いる政府が、衆議院で少数与党となっている中での「評価の選挙」でもあります。そして争点としては、大きく二つ挙げられると思います。一つは、国民の生活に関する考え方であり、物価高という目の前の状況と、将来に向けての対策をどうするのかというものです。そしてもう一つは、国の食料・環境・安全保障といったこれからの国と地球全体との関係についてというものです。もちろん二つの争点は別々のものではなく、現在の課題と将来に向けての政策とをいかに考え行動していくかという問いかけになります。そして市民の期待は、先日の東京都議会議員選挙の結果にも映し出されているとも言えます。
国民の生活に関しては、デフレ時代の長かった日本でもようやくインフレが生活に影響を及ぼしてくるようになり、生活支援から賃金、子育て、教育無償化などが注目されています。また消費税を含めての増税、減税と財政のあり方の議論もあります。さらに財政については社会保障改革という大きな課題解決へと踏み出せるかという問いかけがあります。これからは第二次世界大戦後の高度成長を経た80年の昭和、平成の歴史を踏まえ、令和からさらに先の新しい時代への変化対応が必要であるということだと思います。
また世界の情勢は、大国の理論が通じた20世紀から、各エリアでの衝突を起こしながら新たなバランスを探る21世紀へと移り変わっています。国単位の政治と国同士のネットワークの時代に変化している中、日本はどのようなネットワークを構築していくのかが外交の主題となっています。
このように内外政治の舵取りを誰が考え、誰が実行できるのか。これは将来の人材育成にも通じることだと思います。そこに一票を投じることで自らが何を考え、何を行動していくのかの自問自答することなのだと考えるのです。
戦後の都議選と参院選の巳年選挙の結果
※第一党および第二党は各選挙における獲得議席数ベース。参院選は定数の半数改選であることから、1989年の参院選後の議席数ベースでは、第一党が自民党、第二党が社会党。
※括弧は獲得議席数。
出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。