マーケットの見方

No.622 小国カーボベルデの大活躍!  ― 4年に一度のサッカーの祭典2026 ⑤  ―

今週の一句

祖父母への 思いを持って 守り切り 世界とつながる カーボベルデかな

人口わずか60万人弱のアフリカ代表のCabo Verde(カーボベルデ)が、前回2022カタール大会優勝国のメッシ率いるアルゼンチンと延長戦までの大激闘を演じました。今大会はグループリーグで強豪国のスペイン、ウルグアイと引き分けて2位通過となり、決勝トーナメント初戦でアルゼンチンとの対決となりました。前半のメッシのゴールに対して、後半同点ゴール、延長に入ってもアルゼンチンのL・マルティネスの強烈な左足のゴールに対して、カーボベルデのカブラルが強烈な右足のシュートで追いつくという一歩も譲らない試合展開を繰り広げました。大会前に私は、「カーボベルデってどこにあるんだろう?」と確認してしまった国でしたが、なぜこのような強靭なチームを作ることができるのでしょうか。

人口が多いインド、中国が出場できないことからも、もちろん数の勝負ではないのですが、世界での人口ランキング170位台、GDPランキングも同程度で、面積は約4,000㎢という小さな島国・カーボベルデがいったいどのようにチームを作ったのかは世界の注目を集めています。そのキーワードはディアスポラ(Diaspora:海外移住者とその子孫)です。国内在住の人口をはるかに上回る規模のディアスポラの中から優秀な人材を長い時間かけてブルーシャークス(カーボベルデ代表の愛称)に結び付けてきたのです。欧州など世界各地で育った選手たちが代表チームに集まり、世界各地での経験や技術が集まり、その選手たちが国の代表として戦った姿なのです。個人の鍛えられた肉体とその精神力は極めて逞しく、今大会でもっとも衝撃を与えたチームとなりました。

自分の国を出て他の国で暮らし働くことの経験は、自国内では得られない経験をもたらします。異文化に触れるという面白さもありますが、自らのアイデンティティを問われる場面も少なくないでしょう。今回のブルーシャークスの選手それぞれが、自らの経験をチームの中で存分に発揮している姿は、個の強い力とチームの結束力を示したと思います。その象徴がスペイン戦で7本のセーブでチームを救った40歳のGKヴォジーニャ選手です。「18歳の頃は夢にも思わなかったが、スペイン戦を終えて、過去の自分に『すべては報われた』と伝えられる」「カーボベルデのすべての人々に感謝を伝えたい。選手たちは、この瞬間を迎えるために本当に努力してきた。誇りと満足感に満ちた一日だ」と語りました。ヴォジーニャとはポルトガル語で「小さなおばあちゃん」という意味で、両親が忙しかったため祖父母に育てられたことからつけられた愛称です。

そしてこの国では“Saiko Dayo”(最高だよ)という歌があるくらい日本とも縁が深く、日本のマグロ遠洋漁業船が立ち寄る港があります。2026大会でのブルーシャークスの活躍こそまさに“最高!!”です。

参加国・地域の人口と名目GDPデータ(人口降順)

出所:世界銀行「World Bank Open Data」(人口データ、2025年値)およびIMF「World Economic Outlook, April 2026」(名目GDPデータ、2025年値*)を基にあおぞら投信が作成。
*名目GDPデータは、各国政府の公表スケジュール等により、実績速報値とIMF予測値が混在
*IMFに単独データがないキュラソーのGDPについては、世界銀行の公表値(2024年)を採用

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