マーケットの見方

No.458 日英同盟以来の英国との距離 ―世界の出来事 ②―

今週の一句

"ロンドンと 極東結ぶ 絆かな 新たな地図へ 点結び付け"

今年、日英関係が100年ぶりの関係再構築に動いています。1902年に締結された日英同盟以来の「円滑化協定(RAA:Reciprocal Access Agreement)」を今年2023年1月に締結しました。これにより、自衛隊と英軍の共同訓練推進など、日英の緊密な協力関係を強調、インド太平洋地域への関与の拡大を示しました。さらに先月3月31日には、環太平洋パートナーシップ協定(Trans-Pacific Partnership Agreement:TPP)に参加する日本など11ヶ国は英国の加盟を認めることで合意しました。
英国は2020年末の欧州連合(EU)からの離脱により、他国と自由に貿易協定を締結できるようになりました。そのような状況となり、EU以外の地域、すなわちインド太平洋地域との経済関係を強化するため、英国は2021年2月にTPPへの加盟を申請したのです。英国が加わることで、TPPはアジア・オセアニア・米州地域の自由貿易協定という位置づけから欧州も含む協定へと範囲が広がります。また英国が加わることで、TPP加盟国の世界全体のGDPに占める比率は12%から15%に高まることになります。TPPには2021年に中国、台湾も加盟申請を行っています。また米国の再加盟の可能性もある中、米中の関係や台湾問題など複雑な要素も絡んでくることになります。だからこそ、世界のバランスの将来を経済連携から見る意味でも、英国の加盟により日英の距離は大切になってくるものと考えます。特に英国はスナク首相となり経済の新展開を目指している時だけに、スポーツや文化など多様な関係構築の機会でもあり、日本にとって発想を拡げる足掛かりになるのではないでしょうか。
 

TPP加盟国一覧(2023/3/31時点)

出所:出所:外務省HP、各種資料を基に、あおぞら投信が作成。

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