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No.611 他者との接点に見えてくる自己 ― 成長する道の見つけ方 ②―
今週の一句
他所の家 使う言葉も なぜ違う 他者との出会い 接して想う
自分自身が成長した姿を想像することは簡単ではありません。身体の成長であれば時間と共に目に見えてくるものですが、思考や行動においての成長は見えにくいものなのです。特に自分のことは一番自分がわかっていると思いがちですが、その人の言動の成長について言えば、受け取る側、すなわち他人の方がその人の成長を感じることの方が多いのです。ここでわかることは、人間の成長とは他者との関わりに見られるということでしょう。すなわち人の成長を測る方法として、他者に対してどのような言葉を発することができるのか、あるいは受け止めることができるのかといったことであり、他者に対してどのような行動を取ることができるのか、あるいは受け止めることができるのか、ということこそが、人の成長そのものなのだとも言えるのです。そしてこのような成長は相互作用でもあるので、成長を確認しあう関係者も重要な役割を持っています。
このように考えた時、人と人との対話が成長にとっては大きな力になることも想像できるでしょう。他人の言葉を受け止めることと、同時に自分の考えを持って発することを繰り返すことで、自分というものが形成されていくのです。したがって18歳までの人間形成の過程で、いかに他者との対話を繰り返す経験をするかが重要なのです。それは学校教育の中ではもちろん、年齢の異なる人との接点を持つことや、社会における様々な立場にいる人たちと接するなどの体験も極めて大切な要素となります。例えばボランティアの経験なども、異なる立場や視点を持つ人との接点を持つことで、大きな成長の機会となることでしょう。このような体験は家庭と学校の往復だけでは経験できません。自分の住む国だけでは感じられないことでも、海外の空気に触れることで全く異なる発想を持つようになった経験は誰でもあることでしょう。転校や転職、あるいは部署の異動でも同じですが、自分の周りの空気が変わる時は、誰でも緊張感を伴うものです。しかし、その中で新たな人との接点を持つことが、言動に変化を及ぼし、考え方も新たな発想が生まれることもあるのです。人は変化に対しての抵抗感を持つものですが、その抵抗感もそれを乗り越えることで成長の糧になるのです。
常に他者と接すること、異論を持つ人との接点で対応を繰り返すこと、そこに成長の道が見えてくるものなのだと考えます。