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No.608 達人としての意識へ ― エキスパートへの道 ②―
今週の一句
なるほどと 自分で気づく 日々悩み 小さなことに こだわり続けて
見習いも、人によってその時間の過ごし方は異なります。そしてその時間の使い方の違いが、次のステージに上がることが出来るのか、そのように進めないのかを決めてしまうかもしれません。見習いの間は、その失敗の責任は親方にあります。ただし、責任がないからといって任されていることを疎かにする見習いに明日は保証されないことでしょう。では、次のステージへと、見習いが達人への道を歩んでいくには、どのような変化が必要なのでしょうか。
そのカギは『自分から他者へ』意識の方向転換が行われるかにあります。これは意識の転換なので、何かによって明確に示せるものでもありません。まずは見習いから、自分の仕事が他の人に与える影響に責任を持つ立場へと変化を始めます。何年も積み重ねてきた経験から、いろいろなことを扱うスキルを身につけました。そのスキルを用いて、いかに自分が役に立つことが出来るのかを考えるようになったのです。たとえ失敗しても自分で立ち直る力もつけてきたのです。このように経験を重ねてきたのですが、意識の先はいつも自分自身です。あくまで軸は自分の成長であり、自分のスキルと自分の失敗のことなのです。ここから達人への道は、他者へと意識を移すことがポイントです。主役を他者に移すという意識の原点は、すでに見習いのときにもっている場合もあり得ます。いつからそのような方向転換ができるかは人によっても異なります。ただ、ここに達人としての高みを目指せるか、がかかっていると言えるのです。
意識の変化は、コツコツと仕事を積み重ねていく中で発見する場合もあります。あるいは、ふとした時にハッと気づくこともあるのです。これは『アハ体験』とも言われるもので、それまでは自分自身で見えていなかったものや、理解できていなかったものが、突然つながって『ああ、なるほど!』と腑に落ちることがあるというものです。このなるほど体験も、実は自分中心の見習いまでの発想から、他者へと意識が変わることがキッカケとなる場合が多いのではないかと思います。“働く”とは“人のために動く”ということを知る大切さが達人への道だと私は考えるのです。