マーケットの見方

No.508 ゼロゼロ融資からの自立 ―異次元緩和のその後 ③―

今週の一句

"延命を 決める気持ちの その後に さらなる先に 何を見るのや"

異次元緩和の最終局面と思われた2020年に、日本を始め世界中がパンデミックに見舞われたことで、中央銀行は一段と市場への資金供給を進めました。このような状況下で、多くの金融機関は中小企業向けに実質無利子・無担保で融資を行ういわゆる「ゼロゼロ融資」を通じて企業の資金繰りへのサポートを実施しました。この「ゼロゼロ融資」の返済が最後のピークを迎えるのが今月(2024年4月)となります。ただし、政府は借り換え保証などの資金繰り支援策については6月末まで延長した上で、経営改善などの支援を強化することにしています。「ゼロゼロ融資」は、コロナ禍で売り上げが大きく減少した中小企業の資金繰りを支援するため、2020年3月に始まりましたが、4年を経て中小企業の中には、過剰な債務を抱えて事業の継続が危ぶまれるケースも見られます。今後「ゼロゼロ融資」はどのように評価されるのでしょうか。

まず言えることは、100年に1度と言われる今回のパンデミックに際して、経済が凍てついた状態を放置することは出来なかったということです。人の動きが止まり物の動きも滞った状態で、マネーフローが止まれば、それは経済の死を意味するのです。だからこそ、緊急事態に対応するため発動された「ゼロゼロ融資」は必要だったと言えるのです。ただし、マイナス面があることも事実かと思います。そもそも、戦後の高度成長時代からの経営スタイルからの変更が必須だった企業が、結論の先送りに繋がっていた部分もあったのではないでしょうか。結論とは、これまでの延長線上ではない道を選択することであり、厳しい判断が伴うものです。戦後の高度成長時代から続いてきた日本経済と政治のスタイルは、とうに過ぎたものであるにも関わらず、既得権益を手放したくないといった状況が続いてきたことは、新たな芽を生む場を広げる機会を見えにくくしてきたのだと思います。実際に現在のデフォルト(債務不履行)時の回収率の低さに見られるのは、企業継続可能性の低さそのものかと思われます。延命という難しい判断は、その次の物事を受け入れなければならないのです。企業が生き続けるためには「継続することの大切さ」と「新たな環境への適応力」の両方が必要なのだと考えるのです。

 

日本の企業倒産の推移(負債総額1,000万円以上、2005年~2023年)

出所:東京商工リサーチ「倒産データ分析」を基にあおぞら投信が作成。

一覧に戻る

本コラムは、情報の提供を目的としており、何らかの行動を勧誘するものではありません。また、営利・商業目的の利用は一切行っておらず、広告収入や販売目的のコンテンツではありません。
本コラムは信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。記載の情報は作成日現在のものです。ここに示された意見などは、本コラム作成日現在の当社の見解であり、事前の予告なしに変更される事もあります。投資信託の取得に当たっては、投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。