
No.500 熱烈なファンを大切に! ―顧客マーケティング ①―
今週の一句
"お客さま 向き合うことに 心して 喜びの笑顔 目指して10年"
“マーケティングという言葉が使われるようになったのは、20世紀初のアメリカだと言われています。『マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとっての価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである』と、アメリカマーケティング協会では表現しています。もう少し異なる表現では『マーケティングの目的は販売を不要にすることだ』というピーター・ドラッガーの言葉があります。ここで重要なことはそれまでの商品を“売る”という行為とは異なる“マーケティング”という考え方が生まれたということです。
“売る”という行為は、売り手が主体なのです。良い商品を考え製造した側が、買い手である消費者に販売することを意味しています。一方“マーケティング”は、買い手が主体であることが重要なのです。お客さまがなぜ“買いたい”と思うのかを考え続けることが、企業にとって最も重要な課題であり、そのために企業は全力を注ぐべきなのです。すなわち、どれだけお客さまの気持ちを想う力があるかがその企業の価値を決めるということです。『お客さまは神様です』という歌手・三波春夫氏の言葉の意味は「お客さまの前で歌う時は、澄み切った心にならなければならない」という演者としての心構えを示しています。間違っても自分たちが神様であると主張するための言葉ではありません。だからこそ、自分たちがお客さまにいかに喜んでいただけるのか、その心を掴むための努力が必要なのだと思います。お客さまに、商品を通してあるいは情報などの提供により何かを伝えるということは、個人でも企業でも変わりはないと思います。その意味では日々の企業活動はお客さまの心を掴むために行われており、その結果が熱烈なファンに繋がるのだと考えるのです。
“マーケティング”の定義 日米比較
出所:日本マーケティング協会、アメリカマーケティング協会