No.598 脳が感じる幸せとは? ― 幸せのはかり方 ③―
今週の一句
ポジティブを 追いかけるほど 力み過ぎ 自然と接し 他者を救うや
国際連合が発表する「世界幸福度報告」では、2025年版において日本のランキングは147カ国中55位となっています。幸福度の評価項目は、社会的支援、一人当たりGDP、健康寿命、人生の選択の自由度、寛大さ、腐敗(汚職)の認識の6つの要素で分析されており、日本のスコアの特徴は、健康寿命が2位と非常に高く、経済水準(一人当たりGDP)も上位に位置していますが、人生の選択の自由度では79位となっており、『自分の人生を思いどおりに決められる』という感覚に対する自己評価は低めになっています。また「寛大さ」という『他者への寄付行動』についても130位と低く、これについては社会的な背景も影響していると言えるでしょう。ところで、人間が感じる幸せとはどのようなものなのでしょうか。
幸せは、ひとりひとりで異なるものです。脳の中でも複数の領域がネットワークとして働いた結果、“幸せ”を感じるのです。前頭前野(ぜんとうぜんや)では主観的(長期的・持続的)な幸福感・満足感を得て、側坐核(そくざかく)ではドーパミンが放出されて短期的な喜び、美味しい・ワクワクを感じます。また扁桃体(へんとうたい)では感情の強度を調整して、不安もありますが、嬉しさを感じます。また海馬(かいば)では記憶と感情を繋げて、良い思い出といった幸福感を支えます。これらと呼応する楔前部(けつぜんぶ)という脳の内側後方にある部分が、自己意識で内省・反省をしつつ過去や将来の想像をしたり、他者視点のシミュレーションをするのです。この楔前部が過剰に活動すると、心配・後悔・自分は大丈夫か?となりやすく、幸福度が下がる場合があるのです。一方、楔前部が活性化した時に扁桃体と繋がれば、幸福度は上がると言われています。(上記の脳内ネットワークと幸せの関係性については、筆者が各種情報を基にまとめたものであり、正確性を保証するものではありません。)
では実際に我々が幸せを感じるには、もし考えすぎていると感じたら大きく呼吸をして歩くといった身体の感覚を取り戻すことなどが挙げられます。将来への心配や、他者を意識しすぎると幸福度が下がりやすくなります。自分を肯定しつつ、少しでも利他的な行動をすると深い満足感に繋がります。自然体で感謝を感じて満たされると“幸せ”がやってくるのでしょう。
世界幸福度報告の評価方法
出所:世界幸福度報告の資料を基にあおぞら投信が作成。