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No.586 ガラスの天井は破られる ―1985年プラザ合意から40年 ② ―
今週の一句
"いにしえの 奈良の都を 振り返り 制度精神 文化の誇りや"
プラザ合意で米国が国力回復を目指した姿は、現在の日本へのインプリケーションがあると思います。米国は、自国産業の保護と強化を進める政策を、過去から現在に至るまで続けています。具体的には、知的財産権の保護、保護主義的な通商政策、半導体政策など、幅広く自国優位の産業政策を進めているのです。今日の日本では、労働人口が減少する中で、いかに成長戦略を描けるかのカギは、一人当たりの労働生産性が上がる産業を育てて、国民一人一人の豊かさを向上させることにあります。そのためには技術革新への投資といった将来の成長のための公的なサポートが重要なのです。すなわち、自国の産業政策が求められています。
また同時に、将来に向けての財政政策が重要でもあります。産業と財政の「二兎を追う者」になり、両方をバランスよく進めることが政治の役割なのです。産業政策としては、技術力、ブランド力、サービス・無形資産といった持続的な競争力を活かしていく必要があります。内需拡大を進めつつ、国際競争力をも高めていくことの内外バランスも求められるのです。さらに、財政政策で言えば、これまで繰り返されてきた単なる景気刺激策や、補助金型支出に偏ることなく、将来にむけての教育、科学技術、グリーンエネルギー、デジタル基盤といった成長と生産性向上につながる分野への投資が極めて重要となります。これらの投資戦略とともに、公的な人件費の見直しで歳出改革を行い、一方、税制の見直しで歳入改革も同時に行うことが、新たなリーダーに求められているのです。
今年2025年の干支は「乙巳(きのとみ)」であり、蛇のように脱皮し「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」年です。日本で初の女性首相が誕生した場合、かつてのサッチャー英国首相のように果敢に改革を進められるか、今年残り3か月に注目しています。
英国サッチャー首相(在任期間:1979~1990)の主な改革
出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。