マーケットの見方

No.515 ビジネスと人権の課題 ―人材育成の重要性 ①―

今週の一句

"企業とは 他社と繋がり 世に在りて 企業の中では 人育てつつ"

昭和の高度成長時代における日本企業の強みは、人材育成にあったと思います。新人教育から始まり、現場での実体験をベースに様々な形で人づくりを進めてきたことで、企業の成長を支えてきました。その姿は、米国企業にも日本流の人材育成方法として評価されており、労使関係についても様々な事例がある中、日本流の労使関係として注目されてきました。ところが、高度成長を終えた後に、バブル経済が弾けると、企業は手のひら返しでリストラ(英語のリストラクチャリング(restructuring)を略した言葉で、本来は「(経営の)再構築」という意味であるが、日本では「解雇」の意味で使われる)を進めるようになり、労働者の権利は変化してきたのです。

そのような中、2020年10月に日本政府も「『ビジネスと人権』に関する行動計画」を策定しました。欧州を中心に諸外国では企業の人権配慮を義務付ける法整備が進んでおり、グローバルで活動する日本企業においても各国の制度への対応が求められているのです。新型コロナウイルス感染症により、世界的にサプライチェーン(原材料の調達から、生産、流通、販売、消費までの一連の流れ)の重要性が認識されたことから、SDGs達成のためには、自社の従業員だけではなく、取引先や世界中の消費者にも影響を与えうる企業の責務は、より重要なものとなっているのです。このように多様な主体との対話や連携を図りながら、『ビジネスと人権』に関する取組みを推進していくことが求められているのです。だからこそ、企業の中でも多様な人材の人権を考えて、対話や連携を図り、そして各個人の成長に資する育成が最重要課題として存在するのです。次を担う世代が活躍することこそが、企業であったり世の中のSDGs達成となるのだと考えるのです。

 

「ビジネスと人権」に関する行動計画(NAP:National Action Plan)

出所:外務省HPよりあおぞら投信が作成。

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