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No.628 金融教育の意味とは? ― インベストメント・チェーン ④―
今週の一句
お茶の間で お金の話は タブーなり いや大切な お金を語りて
これまで日本における金融教育というものが十分に行われてこなかった一番の理由は、家庭における“お金の話”がなかったからだと思います。これは、『お金は大切だが、お金のことばかり考えるのは品がない』といった文化とも言えます。特に明治維新以降、『一生懸命働くことが何よりも大切であり、お金を得ることはあくまで結果であり、それ自体を目的とはしない』という価値観が続いてきました。ただ、その文化も、明治、大正、昭和、平成を経て、“働くこと”への考え方も主体的に変わり、それと同時に“お金のこと”への向き合い方も変わってきたのではないでしょうか。その意味では、金融教育は、教わるものから、自ら学び身につけるものになりつつあるのです。
日本の特殊性は、江戸時代の儒教の影響と、士農工商という身分制度の組み合わせによるものとも言えるでしょう。世界で最も早くにあった先物市場は大阪の堂島米市場であり、為替や手形、両替などで商人の存在は経済を活発化させていたものの、社会的な身分では低く置かれ、国家への貢献と忠誠、勤勉、忍耐、規律といったことが優先されていました。そして明治時代に入ると、国家の近代化に向けて、『よく学び、よく働き、社会に貢献する』という成長モデルで昭和まで走り続けていったのです。その意味では、この成長モデルの最後にバブルを最大限に膨らませた理由は、“お金の価値”を身につけないまま、お金を得てしまうことであったのでしょう。
そして時代は変わったのです。“働き方”は今感じている以上に、これからも変わり続けるでしょう。変わるというよりは、多様になるのでしょう。そのような環境で、どのように“お金と付き合うか”ということは家庭での教育から始まります。そして、この一歩を小さい時から踏み出すことで、個の自立という考え方を持てるようになります。自立するためには自律が必要であり、これは『Control what you can control(自分でコントロールできるものに集中する)』というリスクマネジメントにも繋がるのです。そのような個の集まりとなった時に、“お金の価値は使うことでわかる”と実感し、いよいよインベストメント・チェーンは価値創造の市場となるのです。
金融教育推進機構の概要、ミッションおよびビジョン

*ファイナンシャル・ウェルビーイング
自らの経済状況を管理し、必要な選択をすることによって、現在及び将来にわたって、経済的な観点から一人ひとりが多様な幸せを実現し、安心感を得られている状態
出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)