マーケットの見方

No.488 CarからMobilityへ ―自動車産業の変化 ②―

今週の一句

"クルマとは 誰かと何かと 乗り合って 道行きの中 行先想って"

自動車を意味する英語のCarとは、ラテン語のcarraが語源でケルト族が使っていた戦闘用の二輪馬車に由来するものだと言われています。1886年、世界で初めてガソリン自動車を作ったのはドイツのベンツ(後にダイムラーと合併しダイムラー・ベンツ)です。この年にアメリカではコカ・コーラ飲料が生まれました。そのアメリカでは1908年にフォードが流れ作業による生産方式で自動車の量産を開始、価格を低く設定できるようになったことから、上流階級のものであった自動車を一気に普及させていったのです。

日本でマイカーブームが始まるのは、戦後の高度成長真只中の1964年東京五輪開催後、大衆車と呼ばれる1,000㏄のリッターカーが大手自動車メーカーより発売された時からです。それはCar、Cooler、Color televisionという3Cを三種の神器と呼んでいた時代です。Carは単なる移動手段であるだけではなく、ファッションであったり富の象徴であったりしてきました。そして今、時代は大きく変わり、Carを持つことの価値に関しても変化が起こっています。さらに、Mobility(モビリティ:移動性)という言葉が、Carも含んで交通手段や交通システムを意味するようになりました。例えばカーシェアリングやライドシェアサービスなどの利用が広がり、自動運転レベルが向上しています。また、パーソナルモビリティは電動キックボードのように、これまでの道路環境や交通ルールとの整合性の課題が生まれてきているものもあります。そしてパーソナルモビリティの大きな貢献は電動車いすの普及といった、多様な社会には欠かせないことがあります。20世紀のCarの時代から大きな変化が今起こっているということなのです。

 

日本における自動車販売台数の推移(1993-2022年) 

 

出所:一般社団法人日本自動車工業会のデータを基にあおぞら投信が作成。

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