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No.626 信頼ある金融の役割へ ― インベストメント・チェーン ② ―
この度、令和8年熊本地震により被災された皆様、
関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
今週の一句
直接も 間接もある お金なら どの縁を得て 何に使うや
インベストメント・チェーンとは、すなわち直接金融を軸とする市場型の“資金仲介機能”であるとも言えるでしょう。この市場を形成する繋がりをつくる主体と、その繋がりに役割を持つ主体とが、直接金融市場においては、市場参加者それぞれが自己責任での参加となることも特徴です。これに対して日本の高度成長期を支えてきたのは、銀行中心の間接金融です。この時代には大量の設備投資資金のニーズに対して、効率的な“資金仲介機能”が間接金融だったということなのです。そして現在、“資産運用立国”は新たなフェーズを迎えているのです。
金融は経済成長のフェーズによって、役割が異なるものであるとも言えます。間接金融の場合は、リスクマネジメントの考え方が銀行などの金融機関に偏っていたとも考えられます。個人は預金者として銀行にお金を預けて利息を得ており、大量の設備投資資金のニーズへの資金供給は、その個人預金をフルに活用して銀行が行っていました。すなわち、高度成長後の日本において、リスクマネジメントの見直しが長時間続いてしまった理由は、企業が自分自身の資金調達ニーズの意味を見直すことに時間を費やしたことと、資金供給を行ってきた金融機関が、そのリスクテイク能力を見直す必要があったことによるのだと思います。この様な動きが国内の金融機能だけではなく、グローバルな金融ネットワークも含めて起こったのが、1990年代から2000年代における日本のバブル崩壊からグローバル金融危機の時代でもありました。この時代を経る中で、日本では銀行中心の金融システムの限界が明らかになり、グローバル金融危機では、市場中心でもその質が大切だという教訓を得たのでした。
そして時代は移り変わり、現在の日本においては、『家計は長期投資が重要』となり、『機関投資家は企業との対話が必要』であり、『企業は資本効率を高める』といったように、各主体がインベストメント・チェーンを信頼あるものへとすることに動いているのです。今後は、直接金融と間接金融のいずれかではなく、それぞれの役割を果たしつつ、人々の多様なニーズに応えていくことが金融に携わる者の役目となると考えるのです。