
No.469 今NISAの活用から ―NISA制度 ①―
今週の一句
"これからは 制度は人の 為なりと 活かしていただく 扉開いて"
2014年1月、日本でもイギリスのISA(Individual Savings Account:個人貯蓄口座)をモデルにして、日本版ISAとしてNISA(Nippon Individual Savings Account:日本版少額投資非課税制度)という愛称でスタートしました。当初年間100万円であった非課税保有限度額が2016年1月からは120万円に増額、同年4月からはジュニアNISAが始まりました。ジュニアNISAは未成年者を対象とした制度で、未成年者(0~19歳)を対象に年間80万円分の非課税投資枠が設定されました。さらに、2018年1月からは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するため、つみたてNISAの制度が始まりました。金額は年間40万円まで、購入方法は累積投資契約に基づく買付けに限られており、非課税期間は20年間であるほか、購入可能な商品は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られるという制度です。
このように今後の個人の資産形成をサポートするためにスタートしたNISA制度ですが、一般NISAとつみたてNISAはそれぞれ5年間、20年間の時限性があり、また2020年度制度改正で、ジュニアNISAについては新規の口座開設が2023年までとされ、2024年以降は新規購入ができないこととされました。このため、新制度は鳴り物入りでスタートしたものの、残念ながらNISA制度が浸透するには、制度の複雑さや時限性などの課題がありました。そして、令和5年度の税制改正の大綱等において、2024年以降のNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されましたが、これからは個人の方々が主役となる制度となるように金融界は努力すべきだと思います。国民の金融資産の価値が向上するためには何が必要なのか。そのために金融サービス業として我々は何をすべきなのか。いよいよ日本においても評価が決まる時が近づいています。まずは今のNISAを活用して来年を迎えることの大切さを伝えることがチャレンジなのだと考えます。
新NISA制度(2024年1月より適用)
現行NISA制度
(注1)非課税保有期間の無期限化に伴い、現行のつみたてNISAと同様、定期的に利用者の住所等を確認し、制度の適正な運用を担保。
(注2)利用者それぞれの非課税保有限度額については、金融機関から一定のクラウドを利用して提供された情報を国税庁において管理。
(注3)金融機関による「成長投資枠」を使った回転売買への勧誘行為に対し、金融庁が監督指針を改正し、法令に基づき監督およびモニタリングを実施。
(注4)2023年末までにジュニアNISAにおいて投資した商品は、5年間の非課税期間が終了しても、所定の手続きを経ることで、18歳になるまでは非課税措置が受けられることとなっているが、今回、その手続きを省略することとし、利用者の利便性向上を手当て。
出所:金融庁HP、投信協会HPの資料よりあおぞら投信が作成。