
No.489 Mobilityは空を飛ぶ ―自動車産業の変化 ③―
今週の一句
"空を飛ぶ スーパースター のみならず 野を越え山越え 人は動いて"
CarからMobilityへと変化しつつある21世紀の移動手段ですが、いよいよ個人の移動手段が空を飛ぶことになると、社会にハリー・ポッターの世界が広がることになります。現在取り組みが進んでいる空飛ぶクルマ(エアモビリティ)は、『電動垂直離着陸型無操縦者航空機(eVTOL:electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)』と定義されています。すなわち、電動で、滑走路なしで、垂直に離着陸が出来て、自動運転が可能な特徴を持つ航空機のことを指します。
エアモビリティはCarと違って道路を通行する必要がなく、空路によって目的地に直線的な移動が可能となり時間もエネルギーも節約が可能となります。これにより離島や山間地、過疎地などへの移動手段として活用が可能となります。また災害時にも移動や荷物の運搬に活用が期待されています。ただし、エアモビリティには課題も数多くあります。安全な空の移動を守るためには、道路交通法ではなく、航空法の整備が必要となるでしょう。法律の整備を前提に、運転する人は厳しい資格・免許を取得する必要があります。これらの安全性が整備されると、技術的な開発が進んでいることから、現実的に空の移動が始まると言えます。このように自分たちの想像を超える世界が次々と展開していくことが、人々の考え方にも影響を与え、もちろん経済界にも大きなインパクトを持つことになるでしょう。既に日本人でも米国で操縦士証を得ている人もいます。宇宙まで飛び出さずとも、自分の空間を拡げることを目指すことが出来る世の中なのです。このような移動手段の拡張は、発想を柔らかく持つことが物事を変えられるということの大きなヒントなのだと考えるのです。
国土交通省が航空法に基づく型式証明申請を受理したeVTOL機
出所:国土交通省の報道発表資料及び各社リリースを基にあおぞら投信が作成。