
No.483 資産運用立国実現への道 ―金融リテラシーとは? ③―
今週の一句
"世の中に 新陳代謝を 生む力 その道こそが 我がマネーフロー"
資産運用立国を目指すために、我々資産運用業の抜本的な改革と高度化が求められています。そのため、さらなるガバナンスの改善・体制強化と、資産運用力の向上が重要な課題です。これまでの我が国の資産運用業には何が足りなかったかということも反省し、これからの資産運用の歴史を作っていく自覚が必要な時なのだと思います。
今後の資産運用の展開を考える時に第一に重要なことは、資産運用を可能にする資本市場の発展が挙げられます。日本の資本市場は戦後の高度経済成長とともに拡大しました。この間は債券市場では高金利でのリターンを生み出し、株式市場では大きなキャピタルゲインを得ることが可能でした。この資本市場の生み出すリターンの一部を、資産運用業が機関投資家や個人へのマネーフローとして提供していたのです。このマネーフローは順回転の時は経済発展とともに前進出来たのですが、低金利時代に入り株式市場ではバブルが弾け、低成長経済に入ったことから資産運用業は順回転が停止したという状態に近かったのです。それから時間を経て国内資本市場のみならず海外の資本市場へとマネーフローの展開を拡大し、資産運用業はまた前進を始めています。ここからの資産運用業の役割として、資本市場の発展に寄与することも重要となります。それは資本市場における大切な要素である新陳代謝を促進させることに繋がるのです。すなわち資産運用業とは、機関投資家や個人と資本市場に最適なマネーフローを作ることという大きな役割があるのです。これからの世界経済の変化の中で、この役割を続けることこそが資産運用立国への道を進んで行くことになるのだと考えるのです。
資産運用立国に向けた政府の取組
出所:内閣官房 新しい資本主義実現本部事務局「資産運用立国に関する基礎資料(資産運用業関係)」を基にあおぞら投信が作成。