マーケットの見方

No.554 人的資本への投資を進めるべし  ― 日本の株式市場 ③ ―

今週の一句

"新人も 時間が経てば リカレント 多様な人思う 桃の節句かな"

市場が企業に求めていることに、経営者は自社の成長性に対する市場の評価を高める必要性について、特に持続的な企業価値向上への取組について意識改革が為されているか、その中でも、非財務資本のうち人的資本への投資が為されているかという評価があります。これまでのように、経営者が人事部に研修計画を丸投げしているようでは、これからの企業経営に資する人材の育成が進むとは思えません。特に今日の学生から新卒者は、自分の成長に対する期待値に対して敏感になっています。社会の環境変化に対して、十分に適応力のある企業なのか、そしてその中で自分の本質的な価値が向上する機会はあるのか、といった問いかけが一般的に行われているということなのです。

人材育成という意味では、若手だけではなく、リカレント(社会人が仕事で求められる能力・スキルを自ら学び直すこと)も含めて社内全体に人材育成の考え方がない企業は、今後は人材を採用する力も生まれないでしょう。また、人材の価値をこれまでの経験だけで判断する企業は、現在の市場で評価される戦略は創造されてこないのです。すなわち、不透明な世界の中で、この先の市場を想像する力を持たなければ生き残れない時代なのです。だからこそ、企業はまさに多様な想像力が必要なのであり、そのためにも多様な人材を求めているのです。例えば男女に関しても、雇用機会からマネジメント層におけるイコールフィッティング(条件の同一化)など、まだまだ足りないことがあります。これまでの延長戦ではない人的資本の考え方を整備し、早速に出来ることから始めることが大切だということです。

また、日本の人材と世界の人材の“グローカル”(「グローバル」と「ローカル」を組み合わせた『地球規模で考え、地域で行動する』意味の語)な展開も、金融のようにボーダーレスが当たり前の世界では忘れてはならない発想でしょう。社外から人材を受け入れる体制も含めてオープンアーキテクチャー(開かれた枠組み)の人的資本の戦略を、今こそ構築すべき時だと考えるのです。

日本企業の人的資本への投資

出所:各種資料を基にあおぞら投信が作成。

 

 

 

 

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