
学生起業の難しさ
こんにちは!上智大学経済学部経営学科2年、2023年度Sophia Start-up Club副代表の佐藤芙美です。私は4年間という長い大学生活の中でやりたいことの1つとして、「学生起業」があります。大学生活は人生の中の夏休みといわれるように時間が充分にあるため、どこかのタイミングで起業をしてみたいと思っていました。しかし、サークルの活動を通して企業の社長や経営者の方とお話をすると、学生起業に対して賛否両論があることがわかりました。そこで今回は、学生起業のメリットとデメリット、学生起業において大事なことについて書いていきます。
まず、学生起業のメリットには以下のようなものがあるといわれています。
- 若いうちからビジネス経験を積める
- 時間に余裕がある
- 起業仲間やメンターと出会える
- 様々な支援を受けられる
その中でも私は、若いうちからビジネス経験を積めることが1番のメリットだと考えています。なぜなら、起業で培ったビジネス経験は、失敗してやり直すときにも社会人になってからも大きな武器になると思うからです。
一方で、学生起業のデメリットには以下のようなものがあるといわれています。
- 資金が少ない
- 経験や知識が少ない
- 周囲からの理解を得にくい
その中でも私は、資金が少ないことが1番のデメリットだと考えています。起業において失敗する可能性が高くなる要因として大きいのが、資金操りだからです。また、学生は、まだ収入源が少ないため、起業に必要な資金を貯めるのは難しく、アルバイトやインターンを行ったとしても、その労働によって充分にある大学生活の時間を有効活用することができなくなると考えます。
このようなことから私は、学生起業において大事なことは、若さや時間を有効に使い充分に準備をすることと、リスクや資金を管理することであると考えました。また、学生起業は様々な団体から支援を受けたり、助成金や融資の制度を利用したり、起業家向けのセミナーや講座を受講することができます。これらをうまく活用していくことも重要であると思います。学生起業は世間的にまだ主流にはなっていませんが、今回のコラムで学生起業に興味を持っていただける方が増えていけばとても嬉しいです。
このコラムを読んで…
多面的に考察したうえで、それでも「学生起業したい」と挑戦する佐藤さんの姿勢に感心いたしました。失敗を恐れず何事にもチャレンジし、ビジネス経験を積んでいきたいという一方で、資金繰り等への不安な思いもあるという起業に対し葛藤を抱いている学生の現状がよくわかりました。日本における開業率は諸外国と比較してまだまだ低い水準であり、身近に起業家がいない現状もあるでしょう。起業について学んだり、起業をしたいと考える彼らをどのように支えていくのか、社会全体として考えていくべきではないでしょうか。
あおぞら投信 コラム編集部より
開業率*1の国際比較
*1 開業率は当年度に開業した事業所数を、当年度の事業所数で除したもの(米国のみ当年度および前年度の事業所数の平均値で除したもの)
出所:内閣府「令和4年度 年次経済財政報告」を基にあおぞら投信が作成。
起業家が日本で起業が少ないと考える原因*²(2020年)
*2 設立5年以内のスタートアップ企業1,459社に対して、2020年5月13日から6月12日に実施したアンケート調査の結果(本問への回答は133社)
出所:経済産業省「事務局説明資料(スタートアップについて)」を基にあおぞら投信が作成。
起業家が身近にいる割合(2020年)
出所:経済産業省「事務局説明資料(スタートアップについて)」を基にあおぞら投信が作成。